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シャクシャインロード事業 事業計画
1 目的
1669年、「シャクシャインの戦い(戦争)」によって、当時のアイヌ社会の有力な指導者の一人であったシャクシャインが没してから、今年で350年が経ちます。
長万部町では、シャクシャイン没後350年の本年を北海道史上の大きな節目と捉え、「シャクシャインの戦い」をテーマにしたアイヌ文化普及・継承事業として本事業を実施します。自地域の歴史的文化的背景を、町民が広い視野の上で理解し、次世代へ継承する行為を通じ、地域資源に対する新たな魅力の発見と地域への愛着を育むことを目指しています。
2 概要
シャクシャインの戦い(戦争)の主戦場であった長万部町からシャクシャインの本拠地のあった新ひだか町までの沿岸部自治体に、慰霊の意を表す「巨大パッチワーク」旗の制作・旗リレー・歴史講演など様々な催しの事業連携の呼びかけを予定しています。
白老町で作られた巨大パッチワーク
長万部町から新ひだか町まで旗を運ぶリレーを行う予定です。
今後、白老町と連携して「巨大パッチワーク」を制作し、これをリレー用の旗とします。今後、町民が参加できるアイヌ刺繍ワークショップを予定しています。
イメージ
「シャクシャインロード」は没後350年の歴史の時空と、240kmの行程、それぞれの「道のり」を示します。
(予定)
7月中 パッチワーク応募締め切り
9月上旬 旗リレースタート(長万部町)
9月23日 旗リレーゴール
(シャクシャイン法要祭・新ひだか町)
シャクシャインロード事業計画書のダウンロードはこちらからどうぞ。
シャクシャインロード事業計画書[PDFファイル/1.9MB]
3 「シャクシャインの戦い(戦争)」とは
1669年(寛文9)年、和人との交易の不平等に怒りをつのらせたアイヌのおさシャクシャインが、アイヌモシリ全域に呼びかけ、呼応したアイヌによって軍を編成、松前藩に対する一大軍事蜂起となりました。
シャクシャイン軍は7月末にはクンヌイに到達し、クンヌイ川をはさんで、松前軍と対峙します。アイヌの毒矢と和人の鉄砲の打ち合いが続きましたが、やがてクンヌイに指揮官松前泰広が合流すると武力に劣るシャクシャイン軍は後進を続け、オシャマンベから更に本拠地シベチャリ(現新ひだか町)まで後退させられました。シベチャリに退いたシャクシャインは松前軍との和睦をよそおった酒宴で殺され、戦いは収束に向かいました。
クンヌイ川を起点として、この長万部町は、松前を目指して攻め寄せたシャクシャイン軍と松前軍との最大の激戦地でした。
この戦いは、先住民族アイヌと中央政権との主従関係の成立を意味しません。
それは十九世紀初頭から二度の幕府直轄を経て、明治期からの近代法体系の中で漸次形づくられたものです。さらに戦いの勝ち負けは、生き方の善し悪しを意味してはいません。
(「シャクシャイン古戦場跡碑」碑文を元に作成)
シャクシャイン古戦場跡碑
(平成28年、長万部町国縫に建立)